これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

人類SOS !/嗚呼、懐かしのVHS-その1

世の中ブルーレイの時代になって久しいが、我が家ではいまだにVHSがいっぱいで困っている。DVD化されていないタイトルなどは仕方ないとしても、とっくにDVD化されているのに、なんやかや愛着があってなかなか捨てられないでいる。
場所を取るマスクや古書を蒐集している関係上、いつかは見切りをつけなければならないと思っているものの、これがなかなか難しくて手つかずにいる。
特に当時入手に苦労したタイトルなどには特別の思い入れがあって、到底処分する気になれない。

VHSの時代、ビデオは主にレンタル店向けであり、ブロックバスター映画みたいなヒット作はすぐに安い中古が出回るが、SF、ホラーのマニアックなクラッシックとなるとほとんど市場に出てこなかった。たまに出てくると1万円以上のプレミアがつき、当方のようなビンボーコレクターにはおいそれとは手が出ず何度も悔しい思いをしたものである。

当時たくさんの探求ビデオのリストを持って中古屋めぐりをしていたが、なかなか入手できなかったもののひとつにスティーブ・セクリー監督の「人類SOS」(1962年)があった。
古典SFとして名高いジョン・ウィンダムの「トリフィドの日」の映画化として、年少のころ東宝大映の怪獣物と並んでTVで繰り返し観た懐かしい作品で、人間を襲う食人植物トリフィドが地上に蔓延する恐怖を描いた古典SFだ。

当然ながら今見ればチープな特撮だが、当時はワクワクしたもので、パーティで大騒ぎしている部屋にガラスを突き破ってトリフィドが侵入してくるシーンなんか特に気に入っており、コレクターとしてはなんとしても揃えておきたい1本であった。

だが、リリースされたのが比較的ビデオ初期の頃で、その後他社から出なかったためか、これがまったく見かけない。こういうクラッシックのレンタル常備作になると、どこかのレンタル店が閉店して在庫分が市場に流出しないと入手の機会が得られない。タイミングが悪いと何年も遭遇できず、いたずらに時間ばかりが過ぎていくのである。その頃は「なんでこんなメジャーな作品がないんだ!」と始終怒りながら週末になると中古屋巡りにあけくれる毎日だった。

で、数年後。世の中ではLD時代も終焉を迎え、とうにDVD時代が到来していた頃、新しく上野に出来た中古ビデオ屋に何気に入ったら、この作品が棚にあるのを静かに発見した。探すのにあまりにも時間がかかり過ぎたせいか、実際に見つけてもすでに冷静なもんである。価格は2900円。ま、安いとも言えないが、他なら1万円以上ついてもおかしくないタイトルではあるので御の字であった。ここにようやく長い探索の旅は終わりを迎えることとなった。やれやれ疲れたですぅー。


フジビデオ版「人類SOS」。

DVDと並べてみたところ。

正面から。

あかね書房版ジュヴナイル。早川、創元版は良くあるので今回はカット。

画像が「人類SOS」の各バージョン。左がフジビデオから出たVHS、中央がエプコットから「地球最後の男」とカップリングで出たDVD、右が現在発売中のランコーポレーション版。
こうしてみるとビデオ版のケースの大きさがひときわ目立つ。このフジビデオというメーカーはロメロの「ナイト・オブ・ザ・リヴィンデッド」や「ロストワールド」を出していた所でとにかくケースがデカい。「デカ箱」、「弁当箱」などと呼ぶ業者もいたらしいのだが、なんともインパクトがあって目を引く。目にも鮮やかな背景の黄色が印象的なポスターを使ったジャケットも秀逸で気に入っている(ちなみにトリフィドが口からレーザーみたいなのを出しているが、映画にそんなシーンはありません^^;)画質も今観ると甘々だが(VHSだから当然ですが)、年に1度は再生してカビの発生を防いでいる。この文を書くために久方ぶりにテープを回してみたが、まだまだ観られるコンディションで安心した。テープは切れる心配があるので早送り巻き戻しは十分な注意が必要である。
あとオマケであかね書房から出ていた子供むけSF全集版の原作本もUPしておいた。この本も今では3000円以上のプレミアがついていて結構入手困難です。

今回3バージョン全部回してみたがエプコット版が最も発色がよく、ランコーポレーション版はビデオ版と大して変わらなかった(やっぱり^^;)。ということで購入するならエプコット版をお勧めします。


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