これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

限定本の愉しみ/私家版『幻燈館』

『なめくじ長屋捕物さわぎ』や『キリオン・スレイ』等、数多くのシリーズものと膨大なショートショート群で知られるミステリ界きっての技巧派故都筑道夫には、いわゆる限定本や豪華本といった類の本がほとんどなかったように思う。そのため現在高額なプレミアのついている古書というと、デビュー作の「魔界風雲録」を含む初期ミステリ数冊とジュヴナイルぐらいで、あとは真鍋博と組んだ「クレオパトラの眼 12の話のカレンダー」(昭和36年)ぐらいしか思いつかない。

が、迂闊な当方の知らない間に『幻燈館』なる豪華な限定本が1冊出ていたことを、高井信さんのユニークなブログ「ショートショートの...」と元創元社の編集顧問だった書店員さんのブログ「パン屋のないベイカー・ストリートにて」の二つで昨年知った。

続きを読む