これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

“幽鬼”Dr. デヴィッド・レディのクリエイティブ・マインド!

さてさて大分間が開いてしまったんですが皆様いかがお過ごしでしょうか? 

巷では新型コロナ騒ぎでただでさえテンション駄々下がりの上、このところの猛暑ときて、どうもブログ更新の意欲が湧かないんですが、ほっとくのもなんですので久々のUP。

今回は「資料」ということで、いまさらですがおなじみデヴィッド・レディのインタヴュー記事を翻訳してお茶を濁しておくことに致します。元ネタは“Terror from Beyond the Dave”というサイト内の記事を管理者デヴィッド・フェンティス氏の許可を得て転載しておきます。

なにゆえ素人翻訳なので当然間違いは多数あると思いますが、なにとぞご寛恕のほどを願います。インタビューアーはコレクターのデヴィッド・アルバー。

“幽鬼”Dr. デヴィッド・レディのクリエイティブ・マインド!

 投稿日:2011年1月4日 投稿者:デヴィッド・アルバー

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あなたがマスクコレクターなら、おそらく一度はデヴィッド・レディという名前を聞いたことがあるでしょう(とっくに知っていて、電話で喋ったとか、メールしたことがあるとか)。私が初めてデヴィッドを知ったのは1980年代後半のことでした。

当時のメジャーマスクメーカーといえばドンポストスタジオ、ディストーションズアンリミテッド、ビ・サムシングスタジオの3社でした。私はその3社のマスクを買っていたのですが、カタログで見ていたものと実際に届いた現物の出来が随分と違っているということがしばしばありました。

そこで、私は新たな入手先を探索し始め、その結果デススタジオや私のお気に入りのメーカーの1つである、今は亡きハウス・オブ・ホラースタジオ*1を発見しました。さらに高品質のマスクを求めて探索を続けるうち、ハロウインソサエティと呼ばれるグループに出くわしました。このグループは、ロン・マギド、ダンテ・レンタ、ガイ・ソープ、そしてそう、デヴィッド・レディによって運営されており、私に収集の全く新しいジャンルを開いてくれたのでした……私が知らなかった分野です。どうやら私が幼い頃から慣れ親しんできた偉大なモンスター達の限定版のマスクやバストを制作しているアーティストがいるということで、ハロウインソサエティの機関紙であるハロウィン・ガゼットを通して、これらの作品がリリースされているのをチェックし始めたのです。

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ハロウィン・ガゼットは、情報満載でとても楽しい雑誌でした。それは様々なマスクメーカーにスポットライトを当てるだけでなく、生産されている限定版マスクをカバーし、そのうちのいくつかは、ハロウィン・ソサエティ自身によって実際に委託・リリースされました(それらはコレクターズアイテムとして今日絶大な人気があります)。これらの企業や作品の宣伝に加えて、映画のレビュー、コスチュームのヒント(ミイラのコスチュームの作り方とか)、ハロウィンマスクに関連するありとあらゆるもので埋め尽くされていました。

雑誌の中で私の好きな一つは、売買広告でした...…確かにそれはフェイマスモンスターズの裏表紙のキャプテンカンパニーの広告ほどクールではありませんでしたが、この広告ページによって他のマスク会社やデヴィッド・レディを知ることになりました。

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私がデヴィッドに惹かれた理由の一つは、彼がハロウィン・ガゼットでとても目立った存在だったからです。彼は記事を書いたり、彼自身の印象的なコレクションから写真を掲載するだけでなく、オリジナルのアートワークも多く手がけていて、いつも彼が販売しているマスクの広告を出していました。ゾンビファンだった私は、彼のデッドロスとボナパルトのマスクがたったの30ドルだったのを見て、すぐにそれらを注文し、それが今日まで続く友情の始まりでした。デヴィッドがマスクコレクションの世界での中心人物であることは最初から明らかでした。彼は最も印象的なマスクコレクションを持っているだけでなく、私が知っている中でハロウィンマスクやバストについて一番知識の豊富な人物でもありました。

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デヴィッド・レディは、あなたが出会う中で最も素晴らしい人物の1人です。彼との電話での会話は、彼の機転と微妙なユーモアセンスのおかげで、いつも笑いに満ちています。私たちの友情はすぐに発展し、1991年に当時のガールフレンドと私はウェストハリウッドにあるデヴィッドと彼の妻ローラ、彼の友人ガイ・ソープの自宅で1週間遊びました。私たちは西海岸でよくありがちなあれやこれやに時間を費やしました……ディズニーランド、ユニバーサルスタジオ、有名人のお宅拝見ツアー……しかしハイライトは間違いなくデヴィッドと一緒に過ごした時間でした。彼は完璧なホストであり、ハリウッドの有名な場所や楽しい店を私たちに見せて、私たちを1週間ずっと楽しませました。毎晩、私たちはガイ・ソープの霊柩車に乗ってハリウッドをクルーズし、様々な場所を訪れたり、楽しいレストランで食事をしたりしました。私の心に残っているのは、スパゲッティ・ファクトリーとエド・デベビッチという50年代風のダイナーで、ウェイトレスと駄弁りながら皿の上の料理を完食しないと、マジで怒鳴られるのです。

ある日、彼は俳優でマスクコレクターのダニエル・ローバックを紹介してくれました(ダニエルは、「リバース・エッジ」、「逃亡者」、「デビルズ・リジェクト/マーダー・ライド・ショー2」、「プレスリーVSミイラ男」など、多くの映画に出演しています)。 50年代の数多くのSF映画や1960年代のバットマンテレビシリーズで見られたブロンソンキャニオンにも連れて行ってくれました。最高だった夜の一つは、休暇の終わり近くにデヴィッドのアパートでぶらぶらしたり、MTVでミュージックビデオを見たり(そう、MTVは実際にミュージックビデオを上映していました)、マスクやモンスター、ホラー映画について話し合ったりしたことでした。

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ウェストハリウッドへの訪問以来、デヴィッドと彼の素敵な妻のローラは、オハイオ州の故郷に戻ってきました。デヴィッドはマスクを作り続け(複雑なヘアワークはローラの担当です)、自分のお化けアトラクション(ホラーホテル)を作り、自分のホラーホストショー(レイト・ドクター・レディ・ショー)を持ち、自分の町の市長をしています。彼はまた、マスク作りの本や、唯一のコレクターマスクのピクチャーガイドも執筆しています。好きなことを仕事にしている人の話を聞くことはあまりありませんが、デヴィッドはそれをやっていて、彼がマスクを集めるのが楽しい理由の一つです。彼はどんなに忙しくても、いつも時間を割いて愛するモンスターについて語ってくれます。これがデヴィッドをこのような上品な男にしている理由です...…エゴがなく、彼は純粋に彼の友人や彼の作品のファンを愛し、感謝しています。

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デヴィッドは私との質疑応答にも寛大に応じてくれました。お楽しみに!

 

DAVID A: もともとモンスターに興味があったんですか?

DAVID L: 生まれた時から。子供の頃のことはあまり覚えていないんだけど、最初に持っていたのはドラキュラ役のベラ・ルゴシのポスターで、特に私の邪悪な祖母がそれを嫌っていたので大好きでした。マッドサイエンティストの研究室のようなもので、緑色のモンスターを組み立てることができ、毛むくじゃらの顔をした男は、マッドドクターかオオカミ男のどちらかだったかも。

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DAVID A:好きなモンスタームービーは?

DAVID L:多すぎて書ききれないよ! すぐに思い浮かぶのは、フランケンシュタインフランケンシュタインの花嫁、ゾンビ、クリープショー、ファンタズム、怪人ドクターファイブス、吸血鬼ドラキュラ、オリジナルのスターウォーズ3部作、と他にもいっぱい作品があるね。

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DAVID A: 最初に買った(または買ってもらった)マスクは何ですか?

DAVID L: 最初に買った本当にハイエンドでコレクター向けのマスクは、ドンポストの半魚人。 で一番最初に買ったフルヘッドのマスクはというと、たぶん昔のトラベラーズカンパニーが作ったドン・ポスト狼男のバッタもんだったと思う。 黒い毛皮で、後にスペンサーズギフトになったヘレン・ギャラガー・ギフトという店から買ったもの。 その前は、ベン・クーパーのプラスチックマスクや、トップストーンのような粗悪な安物をいくつか持ってたね。

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DAVID A: ご両親はあなたのモンスター好きを応援してくれていましたか?

DAVID L: 父はいつも私がサッカーや車、ビールなど、彼が好きだったものと同じものにハマらないことにガッカリしていたと思います。でも、私が好きなことを止めることはなかったよ。母の方はとても協力的だった。誕生日は私と同じハロウィンなので(もちろん歳は違って母が先に生まれてます^^)、私はいつも誕生日プレゼントにマスクや不気味なおもちゃをもらいました。母はクリスマスなどには必ずドンポストのマスクを買ってくれ、フェイマスモンスターズの雑誌に掲載されているキャプテンカンパニーの広告を見て注文してくれたり、夏休みにディズニーランドのマジックショップでドンポストのマスクを買ってきてくれたりしていたよ。本当に素晴らしい大叔母と叔父もいて、 ルースおばさんは私に初めてフェイマスモンスターズの定期購読をしてくれて、料理が得意で、毎年私とママに魔女や黒猫や何かのモンスターが描かれた特別なバースデーケーキを作ってくれた。 チャックおじさんは、私の誕生日とクリスマスのプレゼントにはいつも挨拶代わりにゴムコウモリやクモ、ドクロを包んでくれました。 今思えば、それがきっかけで、なんでもかんでも不気味にカスタマイズすることが好きになったのかも。 ルースおばさんとチャックおじさんは、私がこれまでに知っている中で最も親切で、思いやりがあり、知的で楽しい人たちでした。母の叔母と叔父だったので、小さい頃から 年寄りだと思ってました。

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DAVID A: マスク作りを始めたきっかけは何ですか?

DAVID L: 友人のクリス・ストライカーが、いつも私のマスクを見に来てくれて、毎年恒例のお化け屋敷の手伝いをしてくれていました。ある時、彼は私になぜ自分のマスクを作らないのかと言うんです。 うちのガレージに来て、古いエアブラシを使ってみたらどうかと。すぐに石膏や粘土、液体ラテックスなどを買ってきて、クリスの家に行ってガレージをめちゃくちゃにしちゃいました。 いろいろ試してみたり、彫刻や絵の具を学んだりして楽しかったです。 そうそう、クリスの最初の結婚の時もめちゃくちゃにしちゃいましたっけ^^

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DAVID A: 彫刻、造形、絵画に関しては独学だったのですか?

DAVID L: 大半そうです。当時はマスク作りの教則本のようなものはほとんどなかったからです。 お分かりと思いますが、それは1980年代のことで、インターネットや携帯電話、車などが発明される前のこと、たしかジェームズ・K・ポーク*2が大統領だったと思いますよ。^^ 試行錯誤の連続でいろいろ失敗が多かったんです。

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DAVID A: 好きなことを仕事にできる人はそうそういませんよね。マスクを集めたり、マスクを作ったりした時の一番の思い出は何ですか?

DAVID L: 素晴らしいことは、今でも新しいアイテムを手に入れるたびに、子供の頃と同じようにクールで楽しくてワクワクすること。 自分のモットーは「若さを保つことはできないけれど、いつまでも初心のままでいられる」ということです。

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DAVID A: もし、これまでで一番好きなマスクを一つだけ選ぶとしたら、それはなんですか?

DAVID L: それを言うのは難しいですな。 いや、それは 不可能っちゅーことで。 ただ、私がずっと好きなマスクはというと、ドン・ポスト・フランケンシュタイン、ミイラと半魚人マスク、ディストーションズのピックマンのモデル、ハリー・インマンのシュナ・サッシ*3、ムービーモールドを使ったダース・ベイダーヘルメット、ハロウィン・ソサエティメトロポリスとゴーレムのバスト、そしてB.ギャレット・シータ*4、エリック*5、そして……えーっと、この辺でやめていい?

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DAVID A: 今でも、いつかマスクやディスプレイバストを作ってほしいと思っているキャラクターはいますか?

DAVID L: ひとつじゃなくて何十個も。 オクトマン、ザット、スティーブン・キングナイトフライヤー、BLOOD'S COFFINのゾンビ、『ブラック・サバス/恐怖!三つの顔』の死んだ魔女、「ドラキュラとせむし女」のエーデルマン役オンスロー・スティーブンス、「ブライド」のフランケンシュタイン・モンスター役のクランシー・ブラウンサイレント映画カリガリ博士」のカリガリ博士と眠り男チェザーレ、『ジェダイの帰還』のテセック、『リ:プレイ』の人食いグールのクラウス役のルイージ・モンテフィオーレ/ジョージ・イーストマン、『欲情の血族』エヴァ・オーリンの腐った死体の顔、『ダゴン』の最後近くに出てくるクトゥルフみたいなやつ、『X-MEN』のミスティークなどなど、おそらく他にも何十人もあるでしょう。 マイケル・マイヤーズのマスクやユニバーサル・フランケンシュタインのマスクのように、今までのマスクアーティストが同じことを何度も繰り返しているのがもどかしいです。 新しい血を期待しています。*6

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DAVID A: 自分がしていることをする上で、最も大きな影響を与えたものは何だと思いますか?

DAVID L: 子供の頃に見た古いドン・ポストのマスク広告と、夜更かししてテレビで観ていた古いモンスター映画です。

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DAVID A: 今、あなたのコレクションの中にはいくつのマスク/ディスプレイ胸像がありますか?

DAVID L: 正確な数はわからないけど、500個以上はあるよ。

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DAVID A: 過去も現在も、一度も手に入れたことがなくて、コレクションにないことを完全に後悔しているマスクはありますか?

DAVID L: 本当に気になるものはないですね。 昔持っていたもので懐かしいものはたくさんあるけどね。

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DAVID A: マスク収集やマスク作りに興味がある人に何かお勧めのものはありますか?

DAVID L: DR LADYのマスクを買え!"みたいな恥知らずな自己宣伝をするのは、恐らく非常に無粋なことだと思うのよね、なのでそんなことは言わないよ。 また、私の世界的に有名な、地球を揺るがすような、伝説的な本「DR LADY'S COLLECTOR'S GUIDE TO MOVIE & TV MONSTER MASKS」がまだ数冊残っていることを言うのも、恐らくはダサいと思う。 そういえば、「EXTREME MASK MAKING: A HOW-TO GUIDE FOR HUMANS」というマスク製作ハンドブックも書いていて、有用な情報が満載で、私のウェブサイトからも入手できますが、 でも、そのことについては触れない方がいいのかな? ガサツだと思われたくないからねぇ...。

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これらの質問に答えるために時間を割いてくれたDavid Ladyに感謝します。 

デビッド・A・

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元記事は下のリンクのサイト内。快く記事の転載を許可してくれたDavid Fuentes氏に感謝。

Thanks Dave!

   

 *このブログはWEBサイトクリーチャーズショーケース内の1コンテンツという位置付け。本家も覗いてやって下さい。ここへのリンクはメニュー頁右下です。

creatures_showcase

*1:80年代半ばから後半にかけて、アーティストジョー・リーダーによる信じられないディティールのコレクターマスクを生産していた伝説的スタジオ

*2:第11代アメリカ合衆国大統領(1795-1849)

*3:「ミディアン」に登場するキャラクター

*4:1970年代にリリースされたゴースト/死体系キャラのドンポストマスク。2000年代に再版あり

*5:1978年リリースのドンポストマスク。オペラ座の怪人を下敷きにしたドンポストスタジオのオリジナルデザイン

*6:ここにリストアップされたいくつかのマスクはその後マイケル・シェーラーによってリリースされている