これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

「完本 陰獣」到着

だいぶサボっていたら早くも3月になっちゃいました。げへへ。
今年最初のネタは久しぶりにマスクネタの予定だったんですが、注文していた藍峯舎の「完本 陰獣」が少し前に届いたので、今回はちょっとこれをUPしておきます。

「完本 陰獣」藍峯舎 限定220部 
画像が到着した「完本 陰獣」。相変わらずシックでスタイリッシュな造本にニヤニヤが止まりません。以前出た正史の「鬼火」と対になるようなデザインで、函背の金の書体もお揃いみたいになっているのが嬉しいところ。近年、新刊で天金丸背牛革の本なんかあんまり手に取る機会がないのでずっと触っていたい、パラパラと眺めていたいところですが、今回元パラがないので擦れたり汚れたりしそうなのでやめときます。^^;

この本、乱歩の代表的名作「陰獣」の「新青年」初出バージョンに、竹中英太郎出世作となった「新青年」連載時の挿画から、画業の総決算である最後の画集「大江春泥作品画譜」まで、「陰獣」にまつわる挿画全点を初めて集大成した限定220部の超豪華本で、なんと予約の時点で完売してしまったそうです。まぁそーなるだろーなーとは思ってましたが、やっぱりそうなりました。
新青年バージョンで「陰獣」が読めるだけでも最高なのですが、挿絵や本文で細かく用紙を変えるなど例によって細かい心遣いが嬉しいです。全原画が残っていた「鬼火」とは違って、残念ながら原画が確認できなかった「陰獣」では挿絵は雑誌からの復刻で、「鬼火」ほどの鮮明さはありませんが、それでもここまで奇麗に仕上げてもらえば十分かなという出來。「大江春泥作品画譜」は実はちゃんと見たことがなかったので、こういったまとまった形でコレクションできて大助かりです。

「陰獣」は乱歩の探偵小説の中でも一番愛読してきたもので、初読時に最も興奮した例の"飾り釦"のくだりを数年ぶりで再読するのが楽しみで、ちょいテンションあがっちゃってます。ぐひょひょひょ。

さて、藍峯舎の本も今回の「完本 陰獣」で七冊目。第一弾の「赤き死の假面」からコレクションしてきましたが、次に何が出るのか非常に気になるところです。この不景気な時代、平均2万円でも完売する作家、作品となるとそうそうない気がします。いくら社名が藍峯舎でも、さすがに乱歩本も出すものがもうそんなに残っていないでしょうし、正史となると出せるのはあと1、2冊かなぁという気がします(昔、角川から「真珠郎」の復刻版が出たことがありましたが、さほど評判にならなかった印象があります。「蔵の中」等、初期の怪奇幻想短編を坂東壯一氏の銅版画で飾ったものならぜひ欲しいところ)。
以前、藍峯舎の深江さんに今後の出版予定ついて問い合わせたことがあり、その際、「碧川潭(みどりかわ ふかし=塔昌夫)のアドニス版「虚無への供物」なんかどうでしょうか?」などと聞いてみたところ、案の定、会社設立時からラインナップには入っているとの事。ただし、いろいろ障害があって未だに実現していないのが現状らしいです。これ、もし出たら速攻で予約っすな。^^


ブログ主の藍峯舎コレクション(左から7冊。右の2冊は関係ないす^^;)

と、まぁ年に1冊しか本を出さない出版社ですが、現在、これほど楽しみな出版社もありません。次の本が何になるか分かりませんが、とにかく古書にはほとんど出回らないので買い逃したらほぼアウト。ヤフオクで大枚はたいて買うしかありましぇん。後顧の憂いをなからしむるためにもくれぐれも買い逃さぬよう、日頃からお金を貯めておかねばなりますまいて。


*このブログはWEBサイトクリーチャーズショーケース内の1コンテンツという位置付け。本家も覗いてやって下さい。ここへのリンクはメニュー頁右下です。creatures_showcase

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