これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

決定打に欠けたホラー映画 「フォース・カインド」

「一部かなり衝撃的な記録映像が含まれます」という宣伝文句に誘われて「フォース・カインド」を観て来ました。
舞台は原因不明の不眠者と行方不明者が続出しているというアラスカ州ノーム。2000年10月、そのノーム在住の心理学者アビゲイル・タイラー博士の元に不眠症を訴える患者が次々に訪れる。不審に思った博士は催眠療法によって彼らが眠れない原因を探ろうとする。が、カメラが捉えた映像は信じられないものだった・・・・。

実際に起こった事件のドキュメンタリー風ホラーということで、2000年10月の本物の記録映像と、ミラ・ジョヴォビッチがタイラー博士に扮した再現映像とで構成されています。

記録映像と再現映像が画面分割で同時進行したりする手法は斬新だし、前半、不眠者達の見る「白いフクロウ」の存在などミステリアスでなかなか面白く、雰囲気だけは上々。でも結局そこまでのお話でした。期待した記録映像も画面が乱れてよく分らないというシロモノで、これじゃあ詐欺だよなぁといった体のもの。「衝撃的」だなどと妙な煽りさえなければもう少しは楽しめたかもしれませんが、結局あの記録映像のみに頼りきった構成では、事実以上の映像が生まれるはずもなく、期待したのが間違いだったようです。来年1月公開予定のこれとちょっと似た感じのホラー「パラノーマル・アクティビティ」もあまり期待しない方が良いかもしれませんな。

なお、直接筋とは関係ない話ですが、エンディングで実際のUFOの目撃者達の音声がいくつか入っていますが、全て「ユー・エフ・オー」と発音していました。日本では矢追純一氏の番組とピンクレディーの影響で「UFO」をユーフォー*1などと気色悪い舌足らずの読み方をするようになってしまいましたが、専門家はいざ知らず、少なくともアメリカの一般人はそんな読み方をしていないのは明らか。自分も絶対「ゆーふぉー」なんて言わないようにしよっと(笑


PS 後で聞いたところによるとこの映画の中の"記録映像"と称している部分も実は映画用に作ったフェイクだったそうだ。なぁーんだってな感じですが、どうせ作りものならもうちょっとハッキリ映っているところもあってよかったのにね。あれじゃあまったくもって"衝撃的"ではないので。


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*1:この読み方はアメリカ空軍のUFO極秘対策プロジェクト「ブルーブック」の長官だったエドワードJ.ルッペルト空軍大尉が命名したもの。