これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

化け物はお好き? − 「ゴースト・ストーリー」その他

晩飯を食ってから買い置きしておいたスティーヴン・キングの「アンダー・ザ・ドームを読み始めたのだが、例によって50ページ読んでもなかなか話が進まない。まるで星飛雄馬がボール1球投げる間にあれやこれや周囲でいろんなことが起こりまくるのと同じ超引き伸ばし大作戦で、今のところかなりかったるい。ここさえ乗り切ればやがて至福の時間(とき)が訪れるのだと言い聞かせつつ、三幸の"粒デカ・ピリ辛"柿ピーとペプシNEXをお供にページを繰ること小一時間。それにしてもこの主役(?)のコック、あんまり好きになれんなぁ。

キングの小説の場合、映像化したらどんな感じかなどと考えながら読むのがいつもの楽しみなのだが、この冒頭のシーンなんぞ映画なら数分で終わってしまうんだろうな。それが小説の方では、胴体を真っ二つに切断されてしまうウッドチャック(大型リスの一種)の一瞬の思考にすら筆を割いているのだから時間がかかるわけである。

アンダー・ザ・ドーム」上・下(文藝春秋刊)
もっともキングの小説の映画化は、過去あまり成功したためしがない。細密な日常描写で成り立っている小説なのに、上映時間の関係で肝心要(かんじんかなめ)のその部分がすっぽり省略されてしまい、途端に貧相な骨組みが露(あらわ)になって残念な作品になるという流れのようだ。
以前観たドリームキャッチャーローレンス・カスダン監督)も翻訳で4冊にもなる原作をど下手な演出家がど下手にまとめてしまったみたいな印象で、観終わったあと、たしかに残念な後味が残る。前半ミステリアスな雰囲気で思いっきり引っ張ってしまったせいか、後半、エイリアンが堂々と出てくるのがSF嫌いの人には許せないらしく、映画評では激怒している人も見かけた。まぁ、SF者でもある当方にとっては、B級SFテイスト炸裂の展開は、結構気に入っているのだけれども。

残念なホラー映画といえば、キングのライバルかつ相方でもあるもう一人の巨匠、ピーター・ストラウブのモダンホラーの一つの到達点「ゴースト・ストーリー」早川書房刊)が80年代にひっそりと映画化されていて(日本未公開・ビデオ廃盤・未DVD化)、こっちもちょっとそんな感じになっているかもしれない。

老い先短いお爺さん4人組が、ニューイングランドのど田舎で夜な夜な集まっては怪談会を催している。どうやらそれぞれうしろ暗い過去があるらしく、夜ごと悪夢にうなされていて命の火ももはや風前の灯(ふうぜんのともしび)状態。んで、メンバーの一人ネッド(ダグラス・フェアバンクスJr)の長男が、ベッドでいきなり恐ろしい幽霊に遭遇して驚いた挙句、すっぽんぽんのままビルから転落して事故死。ネッドは事件の背景を察知したのか、次男に危険を警告するも、本人自身が茫然自失で雪の舞う屋外をお散歩中、いきなり長男のときよりさらに腐敗の進んだ感じの女の亡霊に遭遇してこれまた驚いて橋から落ちてご臨終。

「ゴースト・ストーリー」(CICビデオ:廃盤)

とまぁ、こんな感じでゆったり進むのだが、怪談好きの人以外は退屈なシロモノかも。見どころの幽霊自体も、ウィリアムキャッスルの「地獄へ続く部屋」みたく、"ポヨヨ〜ン"(笑)と出てすぐ引っ込む。今の若い人が観たら笑われちゃうレベルだろう。でも、このゴーストのプロップデザインが凄くて、当方は昔から大のお気に入りだったのだ。悪夢のような造形美とでもいうか、顔の崩し方にセンスがあって実に素晴らしい。特殊メイクの担当はエクソシスト等でおなじみの巨匠ディック・スミスなのだから、まぁ当たり前っちゃあ当たり前なのだが。

で、昔からこのゴーストのプロップが欲しいなぁなどと考えていたら、最近やる気満々のジェフ・ホインケルが実現! クリスマス前にオーダーしておいたのが早くも今日到着したのでupしておこう。

サイズはライフサイズというよりやや小振りの子供くらいの大きさで、サイトの見本写真とはちと眼のペイントが異なるが、腐敗したダークな肌のカラーリングも感じ良く、グログロなテイストの楽しめるナイスなバストに仕上がっている。残念なのは眼が真正面を向いていないのと、やっすいランニングシャツ(笑)みたいなのを着ていること。さすがにこのコスは映画のイメージと合わないので、さっき楽天でこれ用の安い衣類(390円送料無料!)を購入。届いたら着せ替えて写真を撮り直そうかと思っている。

ジェフ・ホインケル原型「ゴースト・ストーリー」ライフサイズ・バストディスプレイ

なお、このバストのレビューはブログとの連動企画ということで本家マスクセクションにUPしたので、詳細はそちらをご参照あれ。(ここをクリック!

ということでこの幽霊ちゃんを隣にはべらしてアンダー・ザ・ドームの続きを読むつもりだが、さて、後どのくらい進んだら面白くなってくるのかしらん。待てないのでバーナード・ケイブスのマニアックな怪奇小説「床に舞う渦」(鳥影社刊。タイトルがナイス!)を読んじゃお・・・おおっ、もう1篇読了しちゃったよ。みじかっ!

*このブログはWEBサイトクリーチャーズショーケース内の1コンテンツという位置付け。本家も覗いてやって下さい。ここへのリンクはメニュー頁右下です。creatures_showcase

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