これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

呪われたジェシカ

以前、ここでTSUTAYAのオンデマンドDVDサービスを紹介したことがあった(2011/12/24「ジェイソンバストその後/代官山蔦屋書店」)。そのときはまだサービスが始まって間もなかったせいもあり、これという作品もなかったのだが、先日しばらくぶりでチェックしてみると、なんとかなりレアなタイトルがリリースされており、その中にはあの70年代の幻のホラーとして知られる「呪われたジェシカ」があるではないか! 思わず川平慈英みたいに「むむっ」と唸ってしまった。やりますなTSUTAYAさん。
ラインナップを仔細にチェックしていくと、他にアミカスプロの「がい骨」、オリビアデハビランド「不意打ち」等を発見、かなり渋いセレクト。1本3800円という一昔前のセルビデオみたいな価格設定は安いとは言えないし、注文してから制作するスタイルのため到着まで10日ほどかかるのが難だが、注文できるうちにと上記3本まとめて速攻でオーダー、今日届いたばかりである。


特典等一切無しの至ってシンプルなDVD。ちなみにジャケットに映っている崖に立つ少女は実はジェシカではなく、どちらかというとチョイ役。ホラー映画に限らずこういう肩透かしはよくありますな。


さて、「呪われたジェシカ」。これまで一度もまともに観たことがないので、今回がほぼ初見である。以下にストーリーを紹介しておこう。

精神病院から退院したばかりの、明らかに"危うい"感じのするジェシカ(ゾーラ・ランバート)とその夫ダンカン(バートン・ヘイマン)、さらになぜか二人に付いてきている男友達ウッディー(ケヴィン・オコナー)の仲良し3人組。ジェシカの療養のために田舎に家を買い、中古の霊柩車(!)に荷物を積んで引っ越してくる。到着早々勝手に住み着いていたヒッピーみたいな女エミリー(マリクレア・コステロ)に驚かされるが、彼女を気に入った3人は同居を許す。さらに森で怪しい少女を見かけたり、湖の中の亡霊のような女に驚いて溺れかけたりと不思議なことが頻発し、男二人はジェシカの病気がぶり返したのかと疑う。町の老人たちはなぜか全員首や腕に包帯を巻いていて新参者の3人には冷たい態度だ。唯一フレンドリーな骨董屋の主から、家の元の持ち主ビショップ家やその妻アピゲイルの話を聞かされる。 ビショップ家の花嫁は嫁いですぐ近くの池で溺死したが今も生きていて歩き回っていると。帰宅後、再度現れた謎の少女に導かれた先には、先ほどの骨董店主人の血まみれの死体があった・・・。

たぶん昔観かけた時は、前半がかったるかったので途中で止めてしまったのかもしれない。今回は飽きることなく全編を観終わることができた。全般的に地味目な映画だが、ジワジワ来る感じに捨てがたい味がある。

印象に残ったのは、夫婦が町に買い物に出かけて車に戻ろうとすると老人たちが待ち伏せのようにその周りを取り囲んでいるシーン。掻き分けて車に乗り込もうとすると、一人の老人がダンカンの頭を「ペチッ」と叩く。「何をする!」と気色ばむが、それ以上は何事も無く、そのまま車を走らせる。
軽く叩くだけだが、実にいや〜な感じのするシーンで、ちょっと気味が悪い。

ラストシーンにもあまり派手なアクションはなく、全体的に抑えた演出だ。昨今のどぎついホラーとは一線を画した70年代の独特のムードの漂う作品で、ローズマリーの赤ちゃん「センチネル」などと近いものがあるかもしれない。

ラストをすべてが現実だったのか、精神を蝕まれたジェシカの脳内幻想だったのかというオチにしてぼかしているのは、「付け足し」という感じなので議論の分かれるところだろう。まぁどちらにしても冒頭とラストの一人きりでボートに乗ったジェシカの姿には哀しいものがあり、いつまでも忘れがたい印象を残す。間違いなく佳作。☆☆☆☆

なお、このTSUTAYAのオンデマンドDVDだが、シャープ製のデッキでは再生できないらしい。注文する方は注意のこと。

TSUTAYAオンデマンドDVD

http://shop.tsutaya.co.jp/dvd/tokusyu/ondemand/?ke=peaddvd


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