これくたぶる!

モンスターマスクコレクター、ALI@ハット卿のマスクと本と映画に関する無駄話。不定期更新。

低価格DVDの現在

ショップに置いていない、メーカーのウェブサイトがない、等々、いまいち全貌がつかみづらい低価格DVD。いちいち情報誌を買うのももったいないので、当方、主にアマゾンや専門ショップでチェックしているが、これが結構見づらくて困る。ショップのお知らせメールなども送ってもらってはいるが、効率よく見たいところだけを一覧できなかったり、低価格以外の既存メーカーからの再発情報(これが結構クセモノだったりする)などもついつい見落としがちだ。
メーカー側がもっと積極的に長期的なリリース予定なんかを教えてくれたら助かるのだが、企業的に力を入れているのかいないのか、どうも良く分らないところから出ているソフトが多かったりするので、なんともかんとも・・・。

とはいえ、この2、3年、VHSやLDの時代にも実現しなかったSFホラーのクラシックが陸続とソフト化されているのはなんとも嬉しい限りではある。
いわゆる定番のPublic Domain Movies(著作権フリー映画)以外のジャンル作品の低価格リリースに先鞭を付けたのはWHDさんあたりかと思うけれど、意外に”本筋”(何が本筋であるかは議論が分かれるとは思うが^^;)のリリースは少なく、あっぱれな超マイナー路線まっしぐらであった。面白い作品をたくさん出してくれて感謝の言葉以外は出ないが、基本的なクラシック系(つまり上記”本筋”)がなかなか出ないことにいささか落胆していたところ、ここにきて突如として登場したRUNコーポレーション、オルスタックピクチャースという2社が時を同じくして怒涛のリリース攻勢をかけ、一挙に永年の渇を癒している状況である。
この2社とも作品選定、パッケージデザインともに「ナイス!」というほかなく、特にオリジナルポスターを配した楽しくオシャレなジャケットは完全に私好みで、まさにシリーズ全部がコレクターズアイテムといっても良いだろう。
現在までのところ、RUNコーポレーションからは"SCI-FI MASTERPIECE MOVIESシリーズ"と銘打って「顔のない悪魔」、「原子怪獣レプティリカス」、「人類SOS」、「トボー・ザ・グレート」、「大海獣ビヒモス」、「海底1万リーグからの妖獣」、「百万の目を持つ刺客」等が、一方オルスタックピクチャースからは”Fantastic Cinema Collection”として「月世界征服」、「紀元前百万年ONE MILION B.C」、「最後の海底巨獣DINOSAULS!」、「ジュラシック・アイランド」、「昆虫怪獣の襲来」、「原爆下のアメリカ」(まさかこんな作品まで出るとは!)等々がリリースされている。
これを書いている現在、オルスタックからは「4Dマン・怪奇壁抜け男」、「残酷の人獣」(共に6月29日発売)がリリース予定。また、RUNコーポレーションからはブログ主超お気に入りの1本 「金星人地球を征服」(発売時期未定)もラインナップに入っているようでなんとも楽しみである。

さらに上記以外では、数年前にケーアイコーポレーションから出た「恐怖の火星探検」、「蜂女の恐怖」、「X線の眼を持つ男」を含む”SF&ホラーコレクション”8枚セット(セットで4320円!)がまだ入手可能だし、ハマーコレクションの単品が中古市場に安く出回り始めていて今が買い時。また既存メーカーでは、低価格ではないが「怪奇!吸血人間スネーク!」、「半魚人の逆襲」、「ファンハウス惨劇の館」を出したキングレコードからも目が離せない。

遅きに失した感はあるものの、これら往年のSFホラーの財産とも言うべき作品が日本語字幕付き、しかも低価格で見られる日が来るとは、実に感慨無量と言うほかない。なにぶん大昔の作品が多いので、最近のCGを駆使したハリウッド大作を見慣れた眼からすれば「何だこれ?」状態になる作品も多いだろうが、どんなにショボイ作品であっても必ず初心なセンス・オブ・ワンダーを発見でき、これらがSFホラーを愛する者にとって永遠に名作であることは変らないだろう。デヴィッド・リンチだって、ティム・バートンだって、年少の頃はドライブイン・シアターでこれらB級映画に熱狂したに決まってるのだ。その精神形成に影響を与えたルーツに触れておく事は決して無駄ではないわけで、いや、SFホラー者とすれば基本知識として全作品必見であると断言して置こう。今後のラインナップに要注目である。


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